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追憶の日々


“あなたのことをよく思い出すのよ”
散々近況を語り合った後、彼女はそう言った。
“私だって同じ!”
思わず返していた。

スペイン人たちと過ごした2005年の夏、
最も長く同じ時間を過ごした彼女は、今もドイツにいる。

毎晩、行きつけのバーに集まって他愛ない雑談に興じていた私たち。
彼らは気を抜くとすぐスペイン語を喋り出す。
だからことあるごとに私は、
“Hey Bitte, auf Deutsch! (ちょっと、ドイツ語で!)” と言わねばならなかった。

ある夜、例によってそれが飛び交いだしたころ、
何故かその夜は平気で居られなくて、思わずトイレに駆け込んで泣いた。
何か、置いてけぼりにされたような孤独感で。

“言えばいいのよ、ここはドイツなんやから共通語はドイツ語でしょ、って”
“スペイン人ばかりの集団に一人混じって、いつもいつもそう言えると思う?!
 いつも言わないとダメなん?私にはできない!”
追いかけてきた彼女と、激しく言い合いをした。
22歳の誕生日前夜のこと。
情けなくて、さみしくて、どうしようもなかった。

でも、憧れた「陸続きの国境線」の中で暮らす彼らにとって、
異国人は思っているほど「特別」なものではなかったのかもしれない。
別に、使う言葉なんて、何でも良かった。
私という存在が在ることで、共通語はいつも簡単にドイツ語へと変わったし、
私はそれを当然主張すべき場所にいた。

日本に戻った今も、連絡を取ると
“Kayo、次ヨーロッパに来るのはいつ”
“また来るよね?”
とひとことめには聞いてくる彼らに、
おいおい・・・そんな簡単に言うなよと内心突っ込み苦笑する。



垣根なんていつだって簡単に壊せた。
飛び込む情熱と、言える勇気がそこにあれば、世界はぐんと近づいた。
そういうことが幾度もあった。

それが私の、視野と可能性を広げてくれた。


posted by | 22:31 | 優しい追憶 | comments(0) | trackbacks(0) |
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